著者プロフィール🌱自己紹介

はじめまして。「楽しい農園」へお越しくださり、ありがとうございます。

当ブログの管理人をしております「ボヴ」こと豊と申します。

自然豊かな環境で農業を始めて数10年が経ちました。農業の世界に飛び込んだきっかけは、私自身ががんという病気の中で感じた「自然とのつながりを持ちたい」という思いからでした。

私は、2009年に「里山整備士」の資格を取得し、義父が大切にしていた田んぼと畑を引き継ぎました。

それ以来、山あいの静かな土地で、3段3反(およそ3,000坪弱)の棚田と、裏庭の畑で四季折々の野菜やお米を栽培し、自家用の作物を育てる日々を送っています。

もともとは農家出身ではなく、ごく普通の会社をしていたのですが、義父が守ってきた田んぼの風景、手間をかけて育てる作物たち、そして何より自然と共にある暮らしの豊かさに心を動かされ、「自分もこの景色を次の世代へ繋ぎたい」と強く思うようになったのです。

「楽しい農園」というブログ名には、「農業って大変そうだけど、実はすごく楽しいんだよ」という思いを込めています。春には種をまき、夏には草を刈り、秋には実りを迎え、冬は来年の準備をする――そんな自然のリズムに身をゆだねながら暮らしていると、不思議と心も体も整っていきます。いわゆる「土いじりセラピー」でもあると考えています。 

もちろん、うまく育たなかったり、イノシシやシカに作物を食べられてしまったりと、悔しいこともありますが、それすらも自然と共にある証拠。

小さな成功や失敗のひとつひとつが、学びであり、感謝の気持ちに変わっていくのです。

このブログでは、家庭菜園はもとより「家庭菜園からのステップアップ」に興味を持っている方々に向けて、

・素人でもできる里山管理のコツ

・お米や野菜の無農薬・減農薬栽培の実例

・獣害対策や古民家暮らしの知恵

・自家用だからこそ美味しく作れる工夫

など、実際に試して良かったこと、うまくいかなかったことを正直に綴っていこうと思っています。

また、里山の風景や、そこに生きる動植物たちの姿も、できる限り写真や言葉で残していきたいと考えています。

近くの小川ではホタルが舞い、裏山では野鳥の声が響き、秋になると庭には柿や栗がたわわに実ります。

こんな豊かな風景が、地方のどこにでもあるものとして、これからも残っていてほしいと願っています。

現在は、季節ごとの野菜や果物を育てながら、日々の農作業の喜びや学びをこのブログで発信しています。農業の楽しさや奥深さを、多くの方に知っていただけたら嬉しいです。

また、農業を通じて得た知識や経験を共有し、これから農業を始めたいと考えている方々の参考になればと思っています。

これまで現場での経験を通じて培った知識を活かし、地元の子ども達への自然体験学習や、都市部の方々への里山ツアーガイドも務めています。「人と自然がともに暮らせる里山を未来へ」――そんな思いで、今日も里山のフィールドに立っています。

無農薬・季節野菜栽培へのこだわり

里山を守るだけでなく、里山の恵みを食卓へ届ける循環 も大切にしています。

化学農薬や化成肥料に頼らず、落ち葉堆肥・米ぬか・木酢液など 里山由来の資源を活用 した土づくりに取り組み、四季折々の味覚(春:スナップエンドウ/夏:固定種トマト/秋:在来種サツマイモ/冬:寒締めホウレンソウ など)を育てています。ブログでは 栽培のコツやレシピ、害虫と共生する知恵 もシェアします。

このブログでお届けすること

  1. 里山整備のリアルな現場レポート

  2. オーガニック菜園のノウハウと失敗談

  3. 地域資源を活用したイベント情報

  4. 自然と共生するライフスタイルの提案

科学的な裏付けと現場経験に基づき、「すぐに役立つ具体的な方法」から「里山の未来を考えるヒント」まで、信頼できる情報 を発信していきます。

このブログでは、里山での暮らしや活動を通じて得た学びや感動を綴っています。四季折々の里山の表情、森仕事の工夫、野菜やお米が育つ過程、そして生きもの達との出会い…。専門用語はできるだけかみ砕き、写真も交えながら、里山の魅力と環境保全の大切さを皆さんにお届けできればと思います。自然と向き合うリアルな経験談を通じて、読者のみなさんと里山・畑・地域をつなぐ 小さな架け橋 になれば幸いです。どうぞごゆっくりご覧いただき、ご一緒に “自然と人が共に育つ里山の未来” を描いていきましょう!


里山整備士(里山自然環境整備士)とは何か?

里山整備士(正式名称:里山自然環境整備士)は、一般社団法人里山自然農法協会が認定する民間資格です。里山の森や田畑など人里近くの自然環境を維持・再生し、生態系豊かな里地里山を次世代に引き継ぐことを目的としています。もともと農山村で農家が担ってきた草刈りや間伐、水田の管理などの作業を「生物多様性を維持する専門的な仕事」として位置づけ、里山を基盤とした持続可能な地域づくりに貢献できる人材を育成する取り組みです。近年、日本発祥の里山の知恵は世界的にも注目されており、生物多様性国家戦略のもとSatoyamaが国際用語にもなるほど評価されています。そうした流れも受け、この資格は「かつて昭和初期まで存在した循環型社会」である里山の復興を通じて、地域環境の改善と持続可能な暮らしの再生をめざしています。

資格取得の条件・カリキュラム・認定プロセス

里山整備士の資格制度は初級・中級・上級の三段階に分かれています。まず初級では里山保全に関する基礎知識を学び、筆記試験(Web検定など)による理解度チェックがあります。合格後、所定の**認定料(約3,150円)**を納付すると初級資格が正式に認定されます。初級取得者には認定証が発行され、協会の「認定会員」として登録されます。

中級上級では実地研修や実技講習が中心です。里山の現場で森林整備や農地再生の実習を行い、実践的な技術と経験を積む必要があります。とくに協会の拠点がある奈良県でのフィールド研修が必須となっており、受講者は一定期間現地に赴いて里山の復元作業や生態系調査などに参加します。研修課程修了後にレポート提出や実技試験が課され、基準を満たせば中級・上級の資格認定が行われます。段階が上がるほど高度な知識と現場経験が求められ、上級まで取得できれば専門家レベルで里山整備に携われる証となります。

里山整備士が学ぶ専門知識・技術

里山整備士の養成課程では、里山の自然と共生するための幅広い知識と技術を体系的に学びます。主な領域は以下のとおりです。

  • 森林整備技術:里山林の手入れとして間伐や下草刈り、落ち葉かきなど森を健全に保つ技術を習得します。日が差し込む明るい森林を作り出し、多様な植物が生育できる環境を整える方法を現場で学びます。

  • 里山農法(自然農法):大型機械に頼らず農薬や化学肥料も使わない、伝統的な有機農法について学びます。鍬(くわ)や鎌を主体とした昔ながらの農耕技術を実践し、土壌の力を引き出す稲作・畑作の方法や循環型の農業知識を身につけます。

  • 野生動物対策:シカやイノシシ、サルなど里山に出没して農作物に被害を与える野生動物への対策技術も重要です。獣害を防ぐ柵の設置方法や追い払いの手法、生態系に配慮した共存策などを実習で学びます。被害を減らしつつ野生生物とも共生する知恵を身につけます。

  • 生態系保全・環境教育:里山の生物多様性を調査・モニタリングする方法や、生きものが棲みやすいビオトープ環境の創出技術も修得します。たとえば放棄田を水辺環境に復元してメダカなど希少種の生息地を作る取り組みや、里山の自然を子供たちに伝える環境教育プログラムの企画運営など、地域で生態系を守り育てる手法を学習します。

これらの専門スキルに加え、里山整備士の研修では先人の知恵や里山文化にも触れます。炭焼きや棚田の水管理、地域住民との協働方法など、里山に根ざした総合的な知識を身につけることで、単なる技術者ではなく地域の里山づくりの担い手として活躍できる人材を目指します。

類似資格との違い・特徴

里山整備士に似た分野の資格として、森林インストラクター自然再生士などがあります。それぞれ目的や役割が異なるため、里山整備士との違いを把握しておきましょう。

  • 森林インストラクター:森林インストラクターは公益社団法人全国森林レクリエーション協会が認定する国家準拠資格で、森林の案内人・指導者としての役割を担います。森林の植物や動物、生態系について一般の人に分かりやすく解説し、キャンプや自然観察会など野外活動の企画・指導を行うのが主な使命です。資格取得には筆記試験と実技試験があり、合格すると登録後に「森林インストラクター」の称号が付与されます。つまり森林インストラクターは教育・普及の側面が強く、森での安全管理やレクリエーション活動の知識が重視されます。一方、里山整備士は現場での環境整備や農林業的作業が中心で、必ずしも指導者として活動するわけではありません。

  • 自然再生士:自然再生士は平成22年(2010年)に創設された比較的新しい資格で、一般財団法人日本緑化センターが認定しています。国土交通省にも登録された公的資格であり、生態系の再生プロジェクトに携わる専門家です。仕事内容は多岐にわたり、緑地の修復、里山の再生、河川敷の管理、希少種の保護など様々なプロジェクトで調査・計画・設計・施工に関わります。自然再生士はこうしたプロジェクトを統括し、専門技術の普及や関係者間の調整を行うコーディネーター的役割も期待されています。つまり、より大規模で計画的な自然環境復元に携わるのが自然再生士であり、国家や自治体の事業とも連携した位置づけです。これに対し、里山整備士は民間資格ではありますが地域密着型で、自ら汗を流して里山の手入れ・管理を行いながら地域経済にも寄与する点に特徴があります。規模こそ小さいものの、農的な暮らしを基盤に据えている点で他資格とは異なるユニークさがあります。

以上のように、森林インストラクターが「伝えるプロ」、自然再生士が「計画し統括するプロ」とすれば、里山整備士は「現場で里山を創り守るプロ」と言えるでしょう。それぞれ得意分野は異なりますが、いずれも持続可能な社会づくりに資する重要な役割を担う資格です。

資格保持者の活躍分野・地域と活動事例

里山整備士の資格を持つ人々は、全国各地の里山フィールドで幅広く活躍しています。その活動分野は多岐にわたり、地域環境の保全から教育・ビジネスまでさまざまです。

  • 里山再生活動・地域おこし:資格取得者の多くは地元の里山再生活動に参加し、休耕地や荒廃森林の整備に取り組んでいます。例えば奈良県大和郡山市矢田地区の協会拠点では、放棄されていた棚田を自然農法で復元し、そこで絶滅危惧種のニホンメダカが繁殖するほど豊かな生態系を取り戻しました。この里山フィールドには年間3万人もの人々が訪れ、子供向けの生き物観察会や田植え体験イベントなども開かれています。里山整備士たちは現地でガイド役や技術指導役を務め、都市住民と里山を結ぶ架け橋として活躍しています。

  • 行政・企業との協働:里山整備士の知見は行政や企業の環境プロジェクトでも生かされています。自治体が進める里地里山保全の委託事業で、資格保持者が専門スタッフとして森林整備やモニタリングを担当する例もあります。また、民間企業のCSR活動で里山保全プロジェクトを実施する際に、里山整備士が技術協力を行うケースも増えています。実際、造園業者や環境コンサルタントの中には里山整備士の資格を取得し、ビオトープづくり等のサービスに活用している人もいます。例えば大阪の造園会社では、里山整備士の有資格者が一般家庭や企業の庭に小さなビオトープ(水辺や生垣など生物が暮らしやすい環境)を提案し、身近な緑地で生物多様性を高める取り組みを行っています。

  • 農産物の生産・販売:里山整備士たちは、持続可能な農業の実践者として里山産の農産物を育てる分野でも活躍しています。協会では里山整備士(ECP=Ecological Conservation Practitioner)の認定者が栽培・管理したコメを自ら消費者に販売する試みも行われており、安全安心で環境にやさしい里山米や野菜として好評を博しています。地元の直売所やマルシェで「里山自然農法」で育てた農産物を提供し、都市と農村をつなぐ新たな里山経済を創出しているのも特徴です。

このように里山整備士の資格保持者は、それぞれの地域で**「自然と人とをつなぐ専門家」**として信頼を集めています。資格創設からまだ年数は浅いものの、この5年間だけでも若い世代を中心に100名以上が巣立ち、各地で里山保全の担い手となっています。彼らの活動は、生物多様性の保全だけでなく過疎地域の活性化や都市住民の環境意識向上にも寄与しており、まさに地域社会に根差した地道な貢献と言えるでしょう。

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